呼吸器内科の診療内容・特色
呼吸器内科について
スタッフは日本呼吸器学会専門医・指導医2名、同専門医2名、日本アレルギー学会指導医1名、日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医1名、同専門医1名、日本癌治療学会癌治療認定医1名、日本臨床腫瘍学会癌薬物療法専門医・指導医1名(いずれも当院常勤医、重複あり)と人員も厚くなっており、胸部の悪性疾患・良性疾患を問わず、呼吸器疾患全般を診療しております。
また肺癌領域においては種々の臨床治験にも参加し、新たな治療にも積極的に取り組んでおります。当科所属の若い先生方には積極的に学会発表に参加して頂き、内科・呼吸器科関連学会の専門医取得に向けて、症例の集積に努力していきたいと考えております。
診療内容
各疾患の治療に関しては、下記に示します。
気管支鏡検査は、気管支腔内エコーにより肺野末梢病変の診断率向上、さらにはこれまで診断困難であった縦隔領域の病巣も診断可能になりました。また、難治性気胸や有瘻性膿胸で外科的に対応の難しい症例に対しては気管支充填術を行い治癒に導けるようになっております。
気管支鏡件数も年間150例以上に増加しており、肺癌手術症例や外来化学療法患者数の増加に繋がっております。
患者さんへのメッセージ
下記の疾患を中心に、呼吸器疾患全般を診療しています。専門的な医療は当然ですが、患者さんを全人的・全身的に診療させて頂き、お一人お一人に、より適した医療を提供できるように心がけています。また、呼吸器疾患の診療において、気管支鏡検査は重要な検査のひとつです。当院では苦痛の少ない検査となるよう、原則として全例鎮静剤を使用して気管支鏡検査を行っています。
呼吸器内科の治療
1.肺がん
肺がんは近年増加傾向にありますが、治療成績は徐々に向上しつつあります。
当院では、肺がんの早期発見と迅速な診断を目指して、胸部X線写真やCT上でがんが疑われれば、喀痰細胞診検査や、気管支内視鏡検査を行います。そのほか、MRIやアイソトープ検査も可能であり、診断がむずかしい微小病変には、放射線科と協力して、CTガイド下肺生検なども行っております。
治療においては、化学療法(抗癌剤)は、呼吸器専門医が、エビデンスに基づいた標準的な治療を行うほか、手術症例は呼吸器外科学会指導医である阪本医師が、より確実でより低侵襲な手術療法を行っております。
また、放射線治療も放射線治療専門医の診療のもとに行っており、がん病巣の治療のみならず疼痛などの症状緩和にも対応します。
従って当院では、肺がんに対する診断、手術療法、放射線療法、化学療法を全て院内で連携を取りながら迅速に対応することができます。個々の患者さんの病況に応じて、最も適切な治療法を提案し、患者さん自身と十分話し合い、安全かつ最も効果的な治療が行えるようにしたいと考えています。
2.成人気管支喘息
早期に診断し、早期から治療(吸入ステロイド薬を中心に)を開始し、気管支のアレルギー性炎症を改善することが推奨されています。当院では、日本アレルギー学会専門医・指導医が勤務しており、患者さんの重症度に応じて、適切な治療を行います。
3.慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性呼吸不全
日本人では、慢性呼吸不全の原因疾患は、COPDや、肺結核後遺症の方が多いのが特徴です。
WHO(世界保健機関)の統計では、COPDは世界の死亡原因の第4位にランクされ今後の数十年の間に、ますます増加することが予測されています。また、診断されていないCOPD患者さんも多いことが知られています。
COPDの主な原因は、肺がんと同様「喫煙」です。
当院は施設内全面禁煙であり、患者さまの健康のために、禁煙をお勧めし、禁煙指導外来も行っています。
呼吸不全になられた患者さんに対しては、薬物治療とともに、在宅酸素療法、在宅人工呼吸療法を行っています。
4.睡眠時無呼吸症候群
当院では簡易型睡眠時無呼吸検査器を3台用意しており、現在のところ随時検査可能です。必要に応じて精密睡眠時無呼吸検査の予約も受け付けています。
治療が必要な患者さんには、鼻式持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行います。ご要望により、CPAP療法の指導管理を紹介医の先生にまた必要に応じて耳鼻咽喉科とも連携を取り、治療法をご相談させて頂きます。
いびき、昼間の異常な眠気、夜間息が止まるなどの症状があればご相談ください。
5.アレルギー性肺疾患、間質性肺炎、びまん性肺疾患、急性呼吸不全
いずれも比較的珍しい疾患ですが、診断・治療には専門的知識と判断が必要です。血液検査、高分解能CT(HRCT)や気管支内視鏡検査、必要があれば呼吸器外科医と相談の上、胸腔鏡による外科的肺生検を行い、診断と適切な治療を行います。
急性呼吸不全では、可能な症例はICUに入室して頂き、麻酔科医師との連携のもと、最善の治療法を症例毎に検討しております。
6.喀血・血痰
気管支鏡検査などによる出血部位や原因の検索、止血困難な場合には放射線科医による気管支動脈造影・塞栓術、呼吸器外科医による手術療法を行います。お困りの時にはご相談ください。
臨床研究についてのお知らせとお願い
2008年12月1日~2017年9月30日の間に当科においてピルフェニドン(ピレスパ®)の治療を受けられた方へ
「ピルフェニドン治療にもかかわらず進行した特発性肺線維症患者におけるピルフェニドン継続使用に関する後ろ向き検討」へご協力のお願い
平成19年4月1日~平成29年3月31日の間に,岡山大学及び岡山呼吸器疾患研究会に所属する関連病院で肺野孤立性結節を呈する肺mycobacterium avium complex(MAC)症と診断された患者様へ
「肺野孤立性結節を呈する肺mycobacterium avium complex症例の集積,観察研究」へご協力のお願い
医師のご紹介
常勤医
役職 | 内科部長兼呼吸器内科参与 |
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氏名 | 梶本 和宏(かじもと かずひろ) |
卒年 | 兵庫県立兵庫高等学校 昭和52年卒 岡山大学医学部医学科 昭和59年卒 |
経歴 | 岡山大学医学部附属病院 講師 |
所属学会・専門資格等 | 医学博士(岡山大学) 岡山大学医学部臨床教授 日本内科学会 認定医・専門医・指導医・近畿支部評議員 日本呼吸器学会 専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会 専門医・指導医 日本禁煙学会専門医(専門指導者) 日本アレルギー学会 専門医・指導医・代議員 日本消化器内視鏡学会 専門医 日本消化器病学会 専門医 日本プライマリ・ケア連合学会 認定医・指導医 麻酔科標榜医 |
役職 | 呼吸器内科部長 |
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氏名 | 杉本 啓介(すぎもと けいすけ) |
卒年 | 岡山大学医学部医学科 昭和62年卒 |
所属学会・専門資格等 | 医学博士(岡山大学) 岡山大学医学部臨床教授 日本内科学会 認定医・専門医・指導医 日本呼吸器学会 専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会 専門医・指導医 日本がん治療認定医機構、癌治療認定医 |
氏名 | 田中 隆一郎(たなか りゅういちろう) |
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卒年 | 岡山大学医学部医学科 平成23年卒 |
所属学会・専門資格等 | 日本内科学会 認定内科医 |
氏名 | 杉本 裕史(すぎもと ひろし) |
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卒年 | 滋賀医科大学医学部医学科 平成29年卒 |
非常勤医
氏名 | 上田 裕介(うえだ ゆうすけ) |
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卒年 | 香川大学医学部医学科 平成16年卒 |
所属学会・専門資格等 | 日本内科学会 認定内科医 日本呼吸器学会 専門医 |
氏名 | 谷口 暁彦(たにぐち あきひこ) |
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卒年 | 鳥取大学医学部医学科 平成16年卒 |
経歴 | 平成16年5月 倉敷市立児島市民病院 初期研修医 平成18年4月 国家公務員共済組合連合会 呉共済病院 平成21年6月 岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科 医員 平成24年6月 岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科 助教 |
所属学会・専門資格等 | 日本アレルギー学会認定アレルギー専門医 日本呼吸器学会呼吸器専門医 がん治療認定医 日本呼吸器内視鏡学会認定気管支鏡専門医 日本内科学会総合内科専門医 |
氏名 | 大川 祥(おおかわ さち) |
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